(緊急コラム)浜松町における『世代交代』の行方は?



(注:2013年8月4週時点での記述です。そのところご了承ください。)


先週、とある記録が達成された。

『初投入曲から2曲連続で1000点突破』

珍しいことではあるが、このこと自体は過去に前例もあるので、それだけでは問題になることはない。
ではあたしは何が腑に落ちないのかというと……………

それを達成したのが井口裕香、すなわち『浜松町そのもの』だからである。


去る3月23日、つまり、井口嬢が初勝利をあげた週に遡るが、「W:Wonder tale」が陥落して「Shining Star-☆-LOVE Letter」の初勝利が確定した瞬間からの『【こむちゃ】 #comcha #agqr #こむちゃ』を付けた関連ツイートがこちらだ。

[3月23日]
23:50:25 ……………………………………………………。
23:54:32 ……………スフィアとかあやちとかはなざーさんとかが必死こいても獲れなかったものを……………しかも『三闘神』から……………。
23:57:22 『1位は獲れなくてもいい』って言ってたんじゃなかったのか?

[3月24日]
00:02:48 繰り返すようですが、スフィアとかあやちとかはなざーさんとか、誰か1人でもいいから先に勝てていればまだ落ち着いていられるんですが……………。
00:07:59 問う。何故10年ほど前の植田嬢や6年ほど前の小清水嬢の時にそれをやらなかったのか。
00:21:07 そりゃぁ、『いつまでも三闘神ばかりに頼ってちゃいけない』というのはわかっています。ただ、『2年前の事件』が傷痕になっている以上、浜松町の一挙一動に戦慄が走ってしまうのです。

21:11:46 昨夜の件ですが、あたしが荒れたのはあくまでも『勝ったのが“浜松町”』だからです。  決して『井口嬢が勝った』からではありません。そこだけはどうか履き違えないでください。
21:15:44 今回の井口嬢の勝利は『“三闘神時代”からの世代交代』には必要なプロセスであり、『次の時代』への貴重な第一歩であるというのは紛れも無い事実である。
21:22:56 ただ、みのりんの最後の勝利から5年半あまり(初勝利からでは6年)、数多くの女性声優が弾き返されてきた『こむちゃ世界の最高峰』を久々に登頂したのが井口嬢だったというのはある意味『出来すぎ』な感じがしてしまうのである。
21:24:55 もちろん、この先も新たに初勝利を飾る女性声優が続々と現れるのならば、今回の件は『たまたま先陣を切ったのが井口嬢だった』と結論付けられるのだろう。
21:32:49 しかしながら、(井口嬢以外の女性声優が)初勝利をあげられない状況がさらに延々と続くのであれば、この『こむちゃ世界』は収縮する一方なのではないかとあたしは危惧する次第である。
21:37:51 どうやら、4月以降は『群雄割拠』な情勢になるらしい。『こむちゃ世界』の真価が問われるのはその時になるのだろう。


あれから4か月あまりが経過した。新たに初勝利を飾る女性声優は現れたのだろうか?

次の表は、2012年以降に『1曲目』をランクインさせた女性声優(および、参考として三闘神)の曲リストである。

歌手名 曲名 発売日 オ位 枚数 こ初 得点 最高 週数
竹達彩奈 Sinfonia! Sinfonia!!! 12/04/11 7 13897 6 290 3 5
♪の国のアリス 12/09/12 10 10049 7 150 6 4
時空ツアーズ 13/01/09 10 9122 7 280 4 6
花澤香菜 星空☆ディスティネーション 12/04/25 7 15315 9 210 5 5
初恋ノオト 12/07/18 4 14328 6 90 6 2
happy endings 12/10/24 7 11832 9 70 8 3
Silent Snow 13/01/16 8 12783 8 650 2 11
小松未可子 Black Holy 12/04/25 16 5061 10 20 10 2
冷たい部屋、一人 12/11/07 30 3022 記録なし
終わらないメロディーを歌いだしました。 13/07/24 24 4590 7 70 7 2
小倉唯 Raise 12/07/18 8 11794 10 60 8 3
Baby Sweet Berry Love 13/05/08 6 14872 9 20 9 1
三森すずこ 会いたいよ...会いたいよ! 13/04/03 10 9952 6 170 5 4
約束してよ?一緒だよ! 13/07/03 12 8952 9 70 8 3
上坂すみれ 七つの海よりキミの海 13/04/24 13 6976 8 130 6 3
げんし、女子は、たいようだった。 13/07/10 23 4275 記録なし
日笠陽子 美しき残酷な世界 13/05/08 9 9021 10 10 10 1
終わらない詩 13/06/05 15 5789 10 140 7 5
井口裕香 Shining Star-☆-LOVE Letter 13/02/06 11 9710 6 1030 1 13
Grow Slowly 13/05/15 10 11605 6 1000 1 13
水樹奈々 Synchrogazer 12/01/11 2 51017 4 870 1 11
METRO BAROQUE 12/06/06 3 52974 4 970 1 11
BRIGHT STREAM 12/08/01 2 75379 3 1160 1 13
Vitalization 13/07/31 3 61648 2 270 3 3
田村ゆかり 微笑みのプルマージュ 12/08/15 5 19547 5 760 1 10
W:Wonder tale 13/02/06 5 15118 4 1070 1 12
Fantastic future 13/04/17 5 15693 5 660 1 10
堀江由衣 Coloring 12/01/18 11 9099 5 490 2 7
夏の約束 12/07/25 12 13378 6 780 2 12
※ 2013/8/24時点の数値。「Vitalization」は初登場タイミングからまだ3週しか経過してないが、相応の成績をあげることは容易に想像できる……………と思う。

青いセルは井口嬢の自己ベストであり、黄色いセルはそれと同等、紫のセルはそれを超える数値を表している。
ここで、『井口嬢の初勝利以降の曲』を示している、曲名と発売日の欄が赤くなっているものに着目していただきたい。
井口嬢以外の若手女性声優は、『勝ち星をあげる』どころか『上位にいく』ことすらままならない状態ではないか。(多少偏りはあるが)井口嬢と遜色ない、あるいはそれ以上のセールス数値を叩き出している者がいるにも関わらずである。それどころか、井口嬢『だけ』が三闘神級に匹敵しようとしているという特異的な状況なのだ。

これが現状である。井口嬢に追随する存在がない以上、これでは『(望まれた形の)世代交代』など夢のまた夢と言わざるを得ない。

勝った喜びを素直に叫ぶ、それは大いに結構だ。ましてや、『三闘神級』から勝ち取った金星だ。喜びもまた格別なものだろう。
ただ、これは『個人のアカウント』でやるべきことであって、『番組公式アカウント』でやるべきことではない。いくら『発言者個人の感想』といえども、『番組公式アカウント』で発する以上『番組としての発言』と見做される可能性があるのだ。
こんなことでは、『皆に望まれて勝った』はずなのに『浜松町だから勝った』と言われても文句は言えない。


『浜松町と云う名のブラックボックス』……………これが疑惑・騒動・事件等のタネになることがしばしばある。

3年前のコラムで、『“裁量権”による調整』・『何らかの“意志”による補正』という表現を持ち出した。
2年前のアンケート企画で、よく『特定の歌手に対して評価が甘い(辛い)』という意見がありますが、ランキングの決定時に何らかの意図的な補正が加えられていることがあると思いますか?という質問に対して、およそ6割が『ある』『あるかもしれない』と回答した。

不可解な事が起こると、やれ『浜松町の行動原理』だの『謎の(破滅の)組織の仕業』だの言うことがあるが、上記の『補正・調整』が念頭にあるからそうなるのだ。その最たるものが、あの忌まわしき『浜松町の自賛乙事件』であるのは言うまでもない。


いつの日か、井口嬢もこむちゃを離れる時が来るのだろう。そのとき『2008年末のコラムで“マクロスを離れれば然も在りなん”と称された坂本真綾』のように、『浜松町を離れれば然も在りなん』となってはいけないのである。そうなってしまうと、『浜松町によるランキングへの干渉』が逆説的に証明されてしまうのだ。



ドリカン時代の末期からこむちゃの初期にかけて、『四天王』から『三闘神(&ガーディアン)』への世代交代が進んでいった。現在、三闘神はその当時の四天王の年齢層に達している。いくら彼女たちが『型破り』な存在だからといっても、いつまでも三闘神ばかりに頼っていてはいけないのだ。そんなことは『(三闘神と同世代な)旧いリスナー』のあたしだって解っている。いつか『世界崩壊』に繋がってしまうかもしれないのだ。『次世代の主力』たりうる“複数の”存在の発掘・確保は急務の課題である。井口嬢ひとりだけでは全然足りないのだ。


繰り返すが、井口嬢以外の若手女性声優が初勝利をあげられない現状がいつまでも延々と続くのであれば、この『こむちゃ世界』は『浜松町の掌の上だけ』で終わってしまうのではないだろうか。



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