(緊急コラム)2008年・『男性歌手の反乱と氾濫』がこむちゃにもたらしたもの



(注:'08年のシーズンを総括しての記述です。また、ここで言う『男性歌手』とはキャラクターものも含みます。そのところご了承ください。)


旧ドリカンから数えること14年目。今年ついに、
男性歌手が曲別総合優勝を成し遂げた。

まぁそれ自体については、『ついに来るべき時が来た』と(自分でも意外なほど)冷静に受け止めている。

ただ、今年のこむちゃは(DC時代も含めて)過去どの年と比較しても明らかに『異様』だったと云える。

ズバリ、男性歌手の反乱と氾濫である。

『11・3事件』を契機にした最初の緊急コラムにおいて『女性声優絶対至上主義の再来』と評した昨年とは打って変わり、今年の男性歌手は半端無い戦いをしていた。そう、去年までの状況に反旗を翻し、女性曲支配からの解放を求めるかのように。

具体的に挙げるとこうだ。
1.今年ランクインした男性曲は36(越年分を含む)。全体が86曲なので、4割強を占めている計算になる。
2.52週全てにおいて複数曲がランクイン。過半数突破も2ケタに上る。
3.トップ5には常に少なくとも1曲が名を連ね、トップ3独占も5回達成している。
4.8人(10曲)で27勝、つまり、『過半数の週で勝った』ことになる。

それが最も象徴的に現われたのは、『マクロスF以外の8曲(!)はすべて男』となった第26週(6/28)だろう。


また、オリコンの週間シングルチャートで『初動51位以下(大部分の曲について、最高位=初動順位だと考えられている)』の曲が3曲今年のこむちゃで勝っている。もちろんそれらも全て男性曲。
ただ、これについては過去においても発生していたかもしれない。しかし、当時と今とでは状況が全く違う。
当時はCDセールス市場が(現在と比較して)繁栄していて、年間でも数多くのミリオンヒット、惹いては、初動ミリオンすら発生するような時代だった。当然、売上レベルも高かったはずである。
それに引き換え、今年のCDセールス市場はどうだっただろうか。今年のシングル年間1位の売上枚数は21年ぶりの低水準だったという。つまり、平成以来最悪の事態というわけだ。同じ順位でも当時と今とを一括りにして考えるのはいささか乱暴すぎる気がする。
だからと云って、「CDセールスだけを以ってこむちゃで勝てるか?」という問いの答えは明らかにノーだ。あくまでも、こむちゃのデータ集計は『リクエストが中心』である。たとえ記録的なセールスをあげたとしても、リクエストが無けりゃ何にもならないのだ。


自然の摂理として当然のことだが、繁栄するものがあれば逆に衰退するものもある。
今年は女性陣全般があまりぱっとしなかった。今年のこむちゃで勝利をあげたのは、水樹奈々(2曲)と田村ゆかり(1曲)とマクロスF(4曲中3曲)だけだ。まぁそれでも『水樹奈々最強』なのは云うまでもないのだが、それでも苦戦したことには変わりはない。
茅原実里や平野綾といった近年台頭してきた勢力はもちろんのこと、(DC時代を含め)かつての優勝経験者である林原めぐみ・堀江由衣・angela・ALI PROJECTは不振に陥り、挙句、栗林みな実やyozuca*に至っては『記録なし』という事態に。
3年ぶりに復活勝利をあげた坂本真綾でも、いざマクロスを離れれば然も在りなん、である。


私はここに公言する。
私自身、女性声優が優位な状況に安堵する『旧いタイプのリスナー』であることを。
先日某所で物議を醸し、異例の通達まで発せられることとなった『某不適切発言』の真意は、その『旧タイプリスナー』としての観点から現状に危機感を感じ、『一旦立ち止まった上でもう一度こむちゃの過去・現在・未来について考えてみよう』という問題提起である。
ただ、その問題提起をするために他サイトを巻き込んだ強行的な手段を講じてしまったことは私も反省しなければならない。

もちろん、現在の状態が後々『こむちゃの正統』となれば、件の彼らは『旧支配からの解放者』として讃えられることになるのだろう。
残念なことに、私はそう割り切って考えてしまうことがどうしてもできないのである。
こむちゃに限った話ではないが、『すべての者にとって最良になる結果』など存在し得ないのだ。


確かに、今年のこむちゃは男性陣が目覚ましい活躍をした。それは紛れもない事実である。
『一介のこむちゃ予想家』の立場からすれば、先が読めないランキング情勢のほうが(予想していて)面白いと思う。その点で云えば今年はその典型であろう。
ただ、どうしても『旧タイプリスナー』としての気持ちのほうが先走り、結果としてorzな事態を招いてしまったことが頻繁にあるのもまた事実。


果たして、来年はどのような展開が繰り広げられるのだろうか。
今年と同様に、男性歌手優位な状態が続くのか。
それとも、守勢に回った女性陣が反撃に出て、かつての状態を取り戻すのだろうか。
はたまた、現在よりも混沌としたことになるのだろうか。

すべては、リスナー1人1人のリクエストに委ねられている。
そして、今年の『この状態』が何だったのかは、歴史によって証明されることである。


最後に、私は(私自身を含め)すべてのこむちゃリスナーにこう投げかけたい。

覚悟を決めておいてください。
この先、『あなたにとっての最悪の事態』が起こる可能性のあることを。
目を背けないでください。耳を塞がないでください。
たとえそのような事態に直面したとしても。



私も現実を真正面から受け止めるよう出来得る限り努めます。



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