(緊急コラム)『こむちゃのブラックボックス』って?



(注:8月終了時点での記述です。そのところご了承ください。)
(※ 8/31 追記しました。)



「この番組では皆さんからのリクエストを中心に、番組の総力を結集して入手した様々なデータのすべてを集計。アニメ・ゲーム・声優・特撮の4ジャンルに関する楽曲『こむちゃミュージック』のベスト10を毎週発表しています。」

これは、番組冒頭で櫻井氏が毎週宣う定型句だ。

思うのだが、最近殊に難解化したランキングはその『集計方法というブラックボックス』を複雑化させすぎたことが原因ではないのだろうか。

集計に関係する項目は、次に挙げる分類に分けられるではないかと私は考えている。

  1. リクエスト→メイン項目。これがないと何も始まらない。
  2. CDセールス(枚数and/or順位)→累積ではなくて当該週のもの。特に初登場の可否に関係していると思われる。
  3. 配信関係のデータ→ケータイとか音楽配信サービスとかその他もろもろのDL数とか順位。
  4. 他番組(ラジオに限る)でのOA回数→認知度を測る目安か。ランキングへの影響は僅かと思われる。
  5. リリースからの経過週数→曲のラインナップ入れ替わりに関係すると思われる。旧曲への『キャンペーン』抑制効果も含むか?
  6. 前週のこむチャート順位(または判定する為の評価値)→暴騰暴落等急変の軽減目的だろうが、最近の傾向だとこの効果には疑問あり。それよりも所謂『2週後』とか『再登場』に対する難度調整か。

そして、ランキングを決定するための『評価値』が、これらのパラメータにそれぞれ係数掛けて足し合わせていくような単純計算で導かれているとは到底思えない。複数のパラメータが絡む何かしらの変換関数が複数含まれているはずである。


また、『初登場』の可否判定については『オリコンの週間結果』を待ってから行っていると考えている。それが、『初登場タイミングは発売日の翌週に固定』ということの根拠だ。そうでなければ、(リクエスト集票的に)強力な歌手は余裕で『発売日前のフライング登場』ができるはずでである。おそらくこれは3年前に強化されたのだろう。

また、(『前後の週の周辺状況』とか『当該週の候補曲の多寡』とかにも依るが)オリコンの『週間シングルチャート30位』がこむちゃランクイン可否のひとつの目安だと考えられる。8/7の出張所(Twitter)でのツイートに、『今シーズンの7月末までの初登場曲は56。そのうち、オリコン10位以内を記録した曲の割合は約56%、20位以内だと約89%。逆に、31位以下でランクインしたのはえりゆかの1曲のみ。』・『今シーズンのこむちゃにランクインする可能性をもった曲のうち、オリコン10位以内曲のこむちゃランクイン成功率は約59%・11〜20位では約39%・21〜30位では20%。』とあるが、手元に資料がある'08年以降まで調べると、『オリコン31位以下』からのランクインは、'08年は15曲(77曲中)・'09年は11曲(84曲中)で、今年に至っては8月末時点でもなお「Happy place」(えりゆか)の1曲だけ(64曲中)だ。その割合は年々減っていると言っていいだろう。

表1:'08年以降、オリコン31位以下からこむちゃにランクインした曲
曲名 歌手名 初登場週 オリコン位
delight song GRANRODEO 08/01/12 34 ※1
さあ切れ!パンサー皇子 鈴村健一 08/03/01 51以下
マリオネット ROLLYと絶望少女達 08/03/08 33
NOT for SALE GRANRODEO 08/05/03 38
君=花 pigstar 08/05/03 51以下
crossingdays 新谷良子 08/05/31 38
AWAKE〜僕のすべて〜 昶&賢吾(小野大輔&神谷浩史) 08/06/07 32
Schwarzer Sarg 妖精帝國 08/07/19 47
Gorgeous 4U 滝島慧(福山潤)・狩野宙(下野紘)
・山本純(代永翼)・辻竜(堀江一眞)
08/07/26 51以下
REALIZE 喜多村英梨 08/08/02 51以下
一斉の声 喜多修平 08/09/06 48
覚醒〜dark & light〜 白銀&洸(諏訪部順一&小西克幸) 08/09/06 51以下
GO AHEAD!! 及川光博 08/10/18 33
衝動 pigstar 08/11/15 51以下
Darlin' GRANRODEO 08/12/20 32
約束 angela 09/01/10 42 ※1
Cue! 桃井はるこ 09/01/10 101以下 ※1
bloomin' Little Non 09/08/15 44
Sweet Madrigal 中原麻衣 09/10/10 51以下
環境超人エコガインダー 遠藤正明 09/10/10 101以下
Battle No Limit! JAM Project 09/10/17 51以下
7ブンノ5デイズ 超ラジ! Girls 09/11/21 ※2 50
果てなき道 HIMEKA 09/12/05 33
light prayer school food punishment 09/12/12 31
Happy place えりゆか 10/03/27 101以下
※1:当該週のオリコンは、年末年始による『2週合算』である
※2:発売日から想定される初登場タイミングより、さらに1週遅れている

そして、『初動売上枚数』と『こむちゃ初登場時の順位』の間にはある種の相関が(弱いながらも)見受けられる。次の表は今シーズンにおけるオリコン30位以内に収まった対象曲の初動売上とこむちゃ初登場順位の関係を表したものである。(売上水準が週によって大きく変動するので、数千枚という単位のところの曲数は参考程度ということでご了承願いたい)

表2:今年のこむちゃにおける、初動売上枚数とこむちゃ初登場順位の関係
(注:オリコン30位以内の曲のみ集計。こむちゃのレギュレーション的に怪しい曲も数に含めています。)
  こむちゃ初動順位  
初動枚数 対数 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 圏外 成功率
100000〜 5.0〜 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0%
63000〜 4.8〜 0 1 0 3 0 2 0 1 0 0 1 8 87.5%
40000〜 4.6〜 1 0 1 2 0 2 0 0 0 0 0 6 100%
25000〜 4.4〜 0 0 0 2 2 0 1 1 0 0 3 9 66.7%
16000〜 4.2〜 0 0 0 1 1 0 0 1 1 0 8 12 33.3%
10000〜 4.0〜 0 0 0 1 1 3 2 3 1 4 12 15 55.6%
6300〜 3.8〜 0 0 0 0 0 2 3 0 3 5 19 32 40.6%
4000〜 3.6〜 0 0 0 0 0 1 0 1 3 3 23 31 25.8%
2500〜 3.4〜 0 0 0 0 0 0 1 0 0 2 11 14 21.4%
1600〜 3.2〜 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 2 50%

ただ、この相関関係はあくまでも『ランクインに成功』した場合に限った話である。たとえ数万枚、いや、10万枚を超える初動売上があっても、『リクエスト集票』が致命的に弱ければランクインすることはは叶わない。この『リクエスト集票力』が歌手に依存するのか、それともタイアップ作品に依存するのか、残念ながら一概にどうとは言い切れないのもまた事実。


前述のえりゆかの初動売上はたったの290枚程度。当然ながら、オリコンチャート30位どころか100位にさえも収まっていない(まぁ発売日が通常より2日遅いというのもあるが)。通常ならばランクインは論理的に絶望な状況なのに、何故ランクインできたのだろうか?OPでの紹介時に井口嬢が『目標8位!』と豪語したから?そんなんでランクインできたら『枠』がいくつあっても足りません!!

しかし、上記の『集計項目』だけではこれは全く説明が付けられない。ならば、彼女たちはどのようにして『嘆きの壁』を突破したのだろうか?

ここで、最も厄介な集計項目の有無を考えなければならない。

  1. その他『裁量権』による調整→ブラックボックスの中のブラックボックス。これが解明できれば誰も予想に苦労しない。

正直、これだけは取り扱いたくなかった。
何らかの『意志』による補正が加えられているのではないか。これは番組最大の疑問であり、疑惑でもある。

もちろん、『裁量権』なんて項目など最初から存在せず、彼女たちは『リクエスト集票力』だけで乗り越えた、であればそれで何の問題もない。彼女たちの結果は賞賛されるべき事項である。
『裁量権』とかいう心配事なんて杞憂に終わるに越したことはない。



先日、大方の予想に反して『某の48』がランクインした。ここでひとつ想像してほしい。

もし、これの構成要素が『こむちゃにランクインさせようキャンペーン』を大々的に号令したら。

もし、ありとあらゆる歌手からこの号令が発せられたら。


こむちゃ世界の明日は、どっちだ?



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