(前置き) ララ誕話ですがララは出てきません(何 地球人ズ(星奈家一同&えれまど)のお話です。 |
「うんしょ、うんしょ……飾り付けはこんなんでいい?」 今日は七夕。 「うん、バッチリよ」 「キラやばだぞ、ひかる」 「えへへ〜」 1年ぶりに帰ってきたお父さんも一緒に準備してる。 「おじゃましま〜す」 「おじゃまします」 「いらっしゃ〜い! えれなさん、まどかさん」 それからえれなさんとまどかさんも呼んだんだ。ふたりとも高校に進んで忙しいかなって思ったけど、喜んでオッケーしてくれたんだ。 「ふたりとも、いらっしゃい」 「お招きいただきありがとうございます。でもいいんですか? 家族のひとときに加わっても」 「もちろんだよ。みんなで楽しまないとな」 「お気遣い、感謝します」 「ところで……今日が誕生日だって子、あの子はどうしたんだい?」 「……」「……」「……」 お父さんの質問で思わず返事に詰まるわたしたち。 「…………ララは……」 「故郷に……帰りました」 「今年の……1月に」 「そうか……それは寂しいな」 「……うん…………」 わたしたちの気持ちを察したのか、お父さんはこれ以上訊いてはこなかった。 「ほらほら、湿っぽい話はここまでですよ」 「……ふん、まったくだ」 「せっかくみんな揃ったんだから」 「ワン!」 「……そうだね」 おばあちゃんたちの言うとおりだ。ここで寂しがってても前には進めない。 「それじゃぁ……お父さん、おかえりなさい。そして、ララ、お誕生日おめでとう!」 わたしたちは、去年と同じようにお父さんの帰宅とララの誕生日を祝った。去年と違うのは、ここにララがいないこと。 ひとしきり楽しんだ後、わたしとえれなさんまどかさんで星空を見ながら語り合った。 「そういえば……ひかる、宇宙飛行士を目指すんだって?」 「そうなんだ。どうしてもララに会いに行きたくてさ。『地球人』星奈ひかるとして」 「へぇ〜。まどかも似たようなもんだね」 「えっ!?」 「わたくしは、この日本で有人宇宙飛行をしたいんです。わたくしたちの手で、わたくしたちの仲間を宇宙に送り出したいんです」 「まどかさん……」 「わたくしのお父様も、国産での有人宇宙飛行を公約の一つに掲げて政界に進出しようとしていますし」 「それって……すごいです! まどかさん! まどかさんのロケットで、わたしが宇宙に! う〜〜〜ん!」 「……その前に、採用試験に受からないとだね」 「うっ……」 「そうですよ。学術的だけではなく、体力や精神力その他もろもろ、総合的に選抜されるんですからね」 「それから語学も。国外での訓練もあるんだから、少なくとも英語は必須だよ」 「う〜〜…………努力します」 ……ララ、お誕生日おめでとう。いつの日か……絶対、会いに行くからね。 〜fin.〜 |