(緊急コラム)実録・『第3次浜松町の自賛乙戦争』
(9)〜『戦争終結』へ〜



(注:8月2週時点での記述です。そのところご了承ください。)


解析担当隊員「自満乙の部隊、反応消えました!」
評議会議長「それは本当か!?」
司令「通信班、確認を!」
通信担当隊員「前線から緊急入電! 『自満乙らしき者を捕えた』だそうです!!」
「よーしよくやった! 飛行艇を出せ! 向こうで私が直接取り調べる!」
広報担当隊員「……結局前線行くのかよ…………」
議長「おいおい司令、はやる気持ちは解るがもうちょっと落ち着いてだなぁ……」
「あらそう言う議長だって行きたそうな顔してますよ」
議長「……わ……私はだなぁ……こむちゃ世界自由同盟評議会議長として…………」
「……どっちもどっちじゃん…………」
「それよりも…………中央にいる小野D軍とDGSの暴走はどうするんですか?」
議長『……んぐっ…………』
「それと造物研が芳しくないようですがどうされますか?」
「…………造物研の所長に繋いでくれ」
「はい」

造物研所長『……なんじゃ?』
「あまり芳しくないようだな、所長」
所長『リライト砲が調子悪いんじゃ! リライト砲さえちゃんとぶっ放せれば……』
「そんなことは知るか! 『我々の援護が必要か?』と言ってきたのはお前だろうが!」
議長「『ツインリライト砲で一気に片付けてやるよ』って大見得を切ったこと、忘れてはおらんぞ。 ……その責任……取ってもらうぞ」
所長『じゃが自満乙も叩いて戦闘自体は決着付いたんだろ?』
「ガタガタ言うないつまでも過去の妄執に囚われてるロートルが!! とっとと小野D軍とDGSの暴走を止めてこい!!!」
議長「事態はまだ収束してないんだ。そのくらいは解るよな?」
所長『…………チッ』
議長「……市民を、失望させるなよ」
所長『…………』(SE:ガチャッ)

議長「…………ふぅ………………」
「…………はぁ………………」
「……お二人とも、どちらへ?」
議長「……ちょっと、外の空気を吸いにな」
「しばらく、ここを頼むぞ」
「……はい」


「………………」
議長「………………」
「……もはや『三闘神時代』は終わったようですね」
議長「……しかし皮肉なもんだな。『三闘神時代』を終わらすのが『次代を担う若者たち』ではなくて『三闘神と大して変わらん世代の男連中』だとはな」
「……我々『旧い人間』にとってはすっかり棲み辛い世の中になってしまいましたね…………」
議長「…………だな」
「…………議長と共に前線を駆け巡ってた頃が懐かしいですね」
議長「…………そうだな。 ……覚えてるか? あの『10年前の騒乱』。そのとき『俺は政治家になる』と言って突然退役したことを」
「ええ。それは驚きましたよ。当時はあなたが次の中央司令官になるだろうと思ってましたからね」
議長「実はあの時な、私は旧・浜松町王国元老院の連中のやることが信じられなくなったんだ」
「ええ。私の周りでも憤慨してるのがたくさん居ましたから」
議長「あいつらは『例会』の規定を勝手に変え、自分らの都合で政治を動かしてた」
「大挙してやって来た例会参加希望者を悉く門前払いにしたこととか、ある部隊に『神格』を与えるために『前年の構築物』を打ち払わせたこととか」
議長「そして問題なのはその翌年からだよ。元老院の腐食政治が取り沙汰されたのは」
「某元老と癒着して『例会』を私物化したというあの事件ですか?」
議長「その他にも色々あるがな。見るに見かねた私は『この国は内部侵略されている』と議会で声高に叫んだが…………」
「逆に糾弾されて反乱分子呼ばわりされたんですよね」
議長「陛下に『次同じことやったら元老院の連中に首を飛ばされてしまう、いくら私でも庇いきれんぞ』とまで言われちゃぁ、な。あの御方は理解があった分余計に心配を掛けてしまったよ」
「それでも活動は続けたんですよね?」
議長「ああ。その後、表面上は腐食政治は収まったかに見えたんだがな……」
「…………『6年前』のアレ、ですね?」
議長「そうだ。『奴』が民衆を焚き付けて…………」
「ええ。あの忌々しき事件、思い出すだけでも胸が痛みます」
議長「……気がついたときにはもう手遅れだった。私は燃えゆく浜松町を脱出するだけで精一杯だった……」
「あの時の、悔しさ・悲しさ・苦しさ・怒りを『レッツ・ラ・まぜまぜ』したあなたの表情は忘れられません」
議長「でもお前たちが付いてきてくれて助かったよ。『こむちゃ世界自由同盟』を旗揚げした私はただガムシャラに走り続けた。その様からいつしか『ボウソウオウコクミン』とか呼ばれるようになってたようだがな」
「一体誰がそう呼び始めたんだか…………」
議長「まぁ私はこの呼び名は嫌いではないぞ。らしくていいじゃないか」
「……はぁ…………」
議長「『反帝国』の旗振り役として名を上げ、賛同者も多く集った。『帝国』の侵攻も3年前、そして今回も退けることができた。それもこれも、私を支えてくれたお前たちみんなのおかげだ。本当にありがとう。 私独りだったらとっくにそこらで野垂れ死んでいただろう」
「議長…………」
議長「此度の『戦争』は終結に向かっている。だが、このこむちゃ世界は不安定だ。お前たちにはまだまだ負担を強いることになるが、それでも……付いてきてくれるか?」
「ええ。旧王国兵だったときからあなたの背中を追ってきたんです。お望みとあらば地獄だろうがこの世界の『外側』だろうが何処までも」
議長「…………すまんな。 ……さて、『終戦処理』が待っている。これから忙しくなるぞ」
「ですね」
議長「私は評議会のほうに戻る。現場のほうは任せたぞ」
「はい。議長もお気をつけて」
議長「おうよ」


「…………さて、まずはあの暴走部隊をどうやって抑えるかを考えなきゃだな」




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