通信担当隊員「柿原組、自賛乙前線を突破、下野隊と合流しました!」 司令「よし、このまま本体を叩かせろ!」 解析担当隊員「自賛乙部隊、移動を開始しました! トラセの方に向かってます!」 司「トラセの方向か……『浜松町兵器』と相性悪いが仕方がない、迎撃を指示だ!」 解「了解!」 評議会議長「激しくなってきたねぇ」 司「長期戦はこちら側も精神が削られますからね。叩けるうちにどうにかしたいですよ」 広報担当隊員「こないだ『ただ闇雲にいってはダメなんだよ』って仰ってたのはどなたでしたっけ?」 司「それは『戦術も何もなしに』のことだ」 広「そうでしたか」 議長「ところでどうだね? この状況は」 司「悪くはないと思いますね。ただ…………」 議長「……ただ?」 司「ただ、ちょっと『上手く行き過ぎている』ような気がするんですよ。第1次・第2次のような……こう……悪あがきと云いますかしぶとさと云いますか……それが見られないんですよ」 議長「うーん……言われてみればそのような気がしないでもないが…………君の考えすぎじゃないのかね?」 司「だといいんですが…………」 解「げっ! これはマズイかも」 司「どうした?」 解「自満乙部隊が迎撃防衛戦を突破、中央に向けて進行中です!」 司「なんだと!?」 解「どうやら『浜松町兵器』が使われた模様です」 議長「そうかなおぼうのほうも相性良くなかったか……うっかりしたな」 司「まずはそっちの損害状況だ。追撃に回れるかどうか確認だ」 解「確認します」 通「…………え!? これって何が!?」 司「今度はそっちか!? 何があった?」 通「自賛乙部隊、トラセを避けるように大回りで移動しています!」 議長「んなバカな!?」 司「なんだって!? 奴等は『浜松町兵器』を用意していないのか!?」 通「それは判りません。ただ…………」 司「ただ何だ?」 通「自賛乙の予測軌道が…………」(モニターを指差す) 広「……自満乙…………」 司「まさか、自満乙との合流を優先させたというのか!?」 議長「どうやらそう考えるのが妥当なようだな」 広「しかしなんでまたそんな面倒なことを?」 司「自賛乙も自満乙もそれ単独で強力なはずだ……それが合流を優先させるなんて…………奴等は何をしようとしてるんだ?」 議長「…………ひょっとしたら、我々は勘違いをしていたのかもしれない」 一同『え!?』 議長「我々は奴等の『本隊』を自賛乙だと思いこんでいたが…………実は『自満乙のほうが本隊』だとしたら?」 通「自賛乙が斥候だってことですか?」 解「たしかに辻褄は合いますが……」 広「いくらなんだってそんな発想は……」 議長「奴等は一筋縄ではいかない、だったよな?」 司「たしかにそうですが…………」 議長「まさか『地均し』に自賛乙が自ら動くなんてありえない、という我々の固定観念の裏を突いてきたんだよ」 司「………………」 通「司令、いかがされますか?」 司「…………奴等の目的が解らなくなった……各部隊に間合いを取らせて警戒待機の指示だ!」 通「了解!」 司「…………くそっ……いったいどうしろというんだ…………」 議長「やはり自賛乙、そうは簡単に行かせてくれないか…………」 |