(緊急コラム)実録・『第3次浜松町の自賛乙戦争』
(6)〜困惑の展開〜



(注:6月3週時点での記述です。そのところご了承ください。)


通信担当隊員「柿原組、自賛乙前線を突破、下野隊と合流しました!」
司令「よし、このまま本体を叩かせろ!」
解析担当隊員「自賛乙部隊、移動を開始しました! トラセの方に向かってます!」
「トラセの方向か……『浜松町兵器』と相性悪いが仕方がない、迎撃を指示だ!」
「了解!」
評議会議長「激しくなってきたねぇ」
「長期戦はこちら側も精神が削られますからね。叩けるうちにどうにかしたいですよ」
広報担当隊員「こないだ『ただ闇雲にいってはダメなんだよ』って仰ってたのはどなたでしたっけ?」
「それは『戦術も何もなしに』のことだ」
「そうでしたか」
議長「ところでどうだね? この状況は」
「悪くはないと思いますね。ただ…………」
議長「……ただ?」
「ただ、ちょっと『上手く行き過ぎている』ような気がするんですよ。第1次・第2次のような……こう……悪あがきと云いますかしぶとさと云いますか……それが見られないんですよ」
議長「うーん……言われてみればそのような気がしないでもないが…………君の考えすぎじゃないのかね?」
「だといいんですが…………」

「げっ! これはマズイかも」
「どうした?」
「自満乙部隊が迎撃防衛戦を突破、中央に向けて進行中です!」
「なんだと!?」
「どうやら『浜松町兵器』が使われた模様です」
議長「そうかなおぼうのほうも相性良くなかったか……うっかりしたな」
「まずはそっちの損害状況だ。追撃に回れるかどうか確認だ」
「確認します」
「…………え!? これって何が!?」
「今度はそっちか!? 何があった?」
「自賛乙部隊、トラセを避けるように大回りで移動しています!」
議長「んなバカな!?」
「なんだって!? 奴等は『浜松町兵器』を用意していないのか!?」
「それは判りません。ただ…………」
「ただ何だ?」
「自賛乙の予測軌道が…………」(モニターを指差す)
「……自満乙…………」
「まさか、自満乙との合流を優先させたというのか!?」
議長「どうやらそう考えるのが妥当なようだな」
「しかしなんでまたそんな面倒なことを?」
「自賛乙も自満乙もそれ単独で強力なはずだ……それが合流を優先させるなんて…………奴等は何をしようとしてるんだ?」
議長「…………ひょっとしたら、我々は勘違いをしていたのかもしれない」
一同『え!?』
議長「我々は奴等の『本隊』を自賛乙だと思いこんでいたが…………実は『自満乙のほうが本隊』だとしたら?」
「自賛乙が斥候だってことですか?」
「たしかに辻褄は合いますが……」
「いくらなんだってそんな発想は……」
議長「奴等は一筋縄ではいかない、だったよな?」
「たしかにそうですが…………」
議長「まさか『地均し』に自賛乙が自ら動くなんてありえない、という我々の固定観念の裏を突いてきたんだよ」
「………………」
「司令、いかがされますか?」
「…………奴等の目的が解らなくなった……各部隊に間合いを取らせて警戒待機の指示だ!」
「了解!」


「…………くそっ……いったいどうしろというんだ…………」
議長「やはり自賛乙、そうは簡単に行かせてくれないか…………」




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