(前置き) 香久矢まどか/キュアセレーネ役を務められた小松未可子さん、ご結婚おめでとうございます。 この妄想話は、小松未可子さんのご結婚を祝して書いたものです。 なお、この作品には2月に開催された『スタプリ感謝祭』の朗読劇で用いられた設定・ネタを採用しています。そこのところお含み置きの上ご覧ください。 |
「……はい、仕上がりましたよ」 「うわぁ〜……」 鏡に映っているのは……純白のウェディングドレスを纏い、バッチリとメイクを施された…… 「とっても素敵な花嫁さんですよ。旦那さまになられる方が羨ましいですわ」 「うふふ……ありがとうございます」 ……そう。今日、わたくし香久矢まどかは……結婚します。 「……まさかこのわたくしが『一番乗り』するとは思いませんでした」 ララやユニと15年ぶりに再会して、みんなして居酒屋で呑んだくれてた頃からそんなに経っていないというのに……縁とは不思議なものです。 「まどかさ〜ん! 結婚おめでとうございま〜す! わぁ〜……まどかさんキラやば〜!!」 「まどか、おめでとうルン」 「まっ先に結婚するとは意外ニャン」 「みなさんありがとうございます。 ……って、えれなはどうしたんですか?」 「オヨ……」 「えれなさんなら……」 3人が泳がせた視線の先を追うと…… 「まどかぁ〜〜! なんでなのよぉ〜〜〜〜!!」 「どっ、どうしたのえれな!?」 「どうもこうもないでしょ! いつの間にそんなオトコこさえてたのよぉ〜〜!」 わたくしに泣きついてくるえれなの様子がどうも…… 「ねぇえれな、あなたまさか飲んでるの?」 「あは、あはは……」 わたくしの質問に笑ってごまかそうとする3人。 「これが呑まないでいられないでしょ! まどかぁ……あたしを置いて行っちゃうなんて…………うわあぁ〜〜ん!!」 「あ〜あ始まっちゃったニャン」 「えれな、昨夜から荒れてたルン」 「こうなると手がつけられないんですよね〜……」 ……仕方ありません。わたくしは泣きじゃくるえれなをそっと抱きしめて、 「ほらほら、結婚すると言っても『婿取り』ですよ。わたくしはこれからも『香久矢まどか』ですから。ね、ね?」 「でもでもぉ〜〜!」 「……ますます手に負えないルン」 「ぐすっ……それじゃぁ聞くけど、ひかるもララも30過ぎてこのままでいいと思ってるの?」 「ぅぐっ……」 「オヨっ……」 …………逆効果でしたか…… 「まったく……みんな、そろそろ行くよ。まどかが困ってるニャン」 「そういうユニはどうなのさ?」 「惑星レインボーに『ケッコン』って概念は無いニャン」 「ぐはっ!」 ああなったえれなを一発で黙らせるとは……さすがユニ…… 「ほら、ひかるもララも。お邪魔虫はとっとと退散するニャン」 「は〜い」 「まどか、またルン」 「えれなも行くニャン」 「まどかぁ〜…………」 「あ、そうだ。まどかさん?」 「なんですか? ひかる」 「式の様子、アブラハム監督がしっかりと記録してくれるから」 「まぁ! お忙しい方なのによく引き受けてくださいましたね」 「わたしたちが頼みに行ったら二つ返事でOKしてくれたルン」 「『ト書きまで全部読んじゃったあの娘がねぇ……』って感慨深そうにしてましたよ」 「もうっ! わかったから!」 「きゃーっ」 「まどかが怒ったルン」 パタパタと出ていくひかるたちを見送って…… 「……まったく……いつまで経ってもにぎやかですね」 フワが導き、わたくしたちで描いた『星座』の縁。 いつしかそれぞれの道を歩みながらも、再び集った星たち。 みんなにとっての『幸せ』はそれぞれ違うし、何をもって『幸せ』とするのか、わたくしにはわかりません。 それでも、わたくしは苦楽を共にした仲間のために祈りたい。 ……みんなにも幸せ、訪れますように………… |