〜もりりん牧場・工房〜

HUGっと!プリキュア
愛崎えみる生誕祭話

未来からの贈り物


(2020年7月)

※ これは2020年7月15日にTwitter投稿したもの( https://twitter.com/schu_mb/status/1283054986184798209 )の再録です。






ルールーが未来へ帰ってから1年半。はな先輩たちは高等部へ進み、わたしは中等部の2年になった。
「えみるちゃ〜ん!」
「どうしたのです?ことり?」
「えみるちゃん、お誕生日おめでとう!」
「ありがとうなのです」
「そういえば、お姉ちゃんが淋しがってたよ。『えみるがちっともうちに来てくれない! めちょっく!』って」
「そんなことを言っているのですか? まぁはな先輩らしいといえばそれまでなのです」

(SE:♪ピ〜ロロロピッピピ〜)

「……えっ!?」
懐かしい音が携帯から鳴った。しかし、それは鳴るはずのない音色だ。
「……メール? なんで……この音が!?」
なぜなら、この音で指定した最愛の親友は……もう『この時代にはいない』のだから。
「どうして…………」
わたしは、おそるおそるメールを開いた。
差出人は……ルールー。
送信日は……2046年7月15日。
そして本文は……

『ここで待っていてください。』

そして1枚の写真が添付してあった。
「……これは? …………!」
忘れるはずがない。今は何もないけれど、写真にも特にないけれど、これは紛れもなくビューティーハリーがあった場所。
「えみるちゃん?」
「ゴメンことり! 行くところができたのです!」
「ちょっとえみるちゃん!?」
わたしは走り出した。ルールーがこの時代に戻ってくることはないと解ってはいるけど、あの場所で『待っていてください』と書かれていた以上は。
……ポツ……ポツ…………ザーー…………
雨が降ってきても構わずに走った。これは洗濯送りだな……
「はぁ…はぁ…はぁ……」
息も絶え絶えになった頃、約束の場所に着いた。
「はぁ…… はぁ…… はぁ…………」
辺りを見回すが……誰もいない。当たり前だ。ルールーは未来に帰ったのだから。
「ルールー…………ルールーーーっっ!!」
当然、返事はない。解ってる……解ってるけど……
「ルールー…………」
涙があふれてきた。ルールーはここにいない。ただ、その事実がどうしても受け入れられない。
「ルールーーーっっ!!」

……ざわっ!!

一陣の風が駆け抜けた。ビューティーハリーがあった木を大きく揺らす。
「…………え!? ……あ痛っ!」
不意に頭上から何かが落ちてきた。
「いったいなんなのです?」

落ちてきたのは小さな枝。
「まったく危ないったらありゃしないのです……!?」
拾い上げると、それにはハート型のコブが2つ付いていた。
……わたしとルールーのミライクリスタルのような形をした。

(SE:♪ピ〜ロロロピッピピ〜)

携帯が再び鳴った。ルールーからだ。
わたしは急いでメールを開いた。

『顔を上げてください。』

わたしはハッとなって顔を上げた。

雨は上がり、虹が出ていた。
「来て……くれたのですね……」
視線の先には……ルールーのような形をした雲。

「ルールー……ありがとうなのです」

そのメールはこう結ばれていた。

『わたしは、ずっとえみるを見守っています』

〜fin.〜


戻る
Schu / Moririnbokujo 2020