(緊急コラム)実録・『第4次浜松町の自賛乙戦争』
(9)〜『匣』の中身は〜



(注:2022年8月1週時点での記述です。そのところご了承ください。)


地域司令「歌王子が17層目の解除に取り掛からないだと!? 何を考えてんだあの『指定互助会』どもは!」
評議会議長「どうだね、状況は?」
「どうもこうも……って議長!? どうしてこんなところに?」
議長「いろいろと気になることがあってな」
「気になるって……あの『匣』ですか?」
議長「もちろんだ。 ……こう直接見ると禍々しさを一層感じるな。 …どこまでも凶悪だな、自賛乙は」
「同感です」
広報担当隊員「ちょっと議長〜! 勝手に歩き回らないでくださいよ!」
議長「いいではないか」
「よくないですよ! 自賛乙軍の手の者が潜んでるかもしれませんし、それに現場の皆さんの迷惑もあるでしょ!」
「構いませんよ。我々第7番地域司令部も、議長閣下には直接ご覧いただきたいとの意見ですから」
議長「……だそうだ」
「なら構いませんが……」
「……で、どうですか議長? 自賛乙軍を最も長く視続けてきた者としては」
議長「この『匣』の核には何があるのか……嫌な予感しかしないのは確かだな…………!?」
「議長……今、なんかこう『ゾワッ』とした気配が………」
議長「君も感じたか……」
「……え?……なんだって!?」
議長「どうした?」
「『匣』のことで報告がありました。 ……歌王子がロストしました」
議長「やはりそうなのか……」
「……やはり?」
議長「この『匣』……俺の想像通りなら…………」
「…………」
議長「……11年前に旧・浜松町王国を焼き尽くした凶悪兵器……『自賛の種』だ」
「自賛の……」
「種……」
議長「そしてその在処は…………『匣』第17層……その中だ」
「……その『自賛の種』とは?」
議長「……俺の見立てだということを前提に言う。 …おそらく人間の感情を吸って育ち、あるタイミングで破裂するものだろう」
「『種』とは云うけど実態は『風船』に近いと」
議長「そんなところだ」
「そういえば自賛乙は『早ければ秋には爆発する』って……」
議長「……状況によると解体速度が週あたり1層で『種』含めて18層……今年の残りが21週で……時間に余裕はないな……」
「……議長?」
議長「……なぁ、今最も深いとこにいるのは誰だ?」
「えーと……天ちゃんが12層を突破。次いで真綾さんが10層を抜いているようです」
議長「うーん……彼女たちに頑張ってもらうのが最善か……ありがとう。我々は本部に戻って『匣』の件を協議する。地域司令殿、まだまだ苦労かけることになるが…現場のほうは任せたぞ」
「ははっ! お気遣いありがとうございます!」
議長「さぁ行くぞ。仕事は山積みだ」
「はい!」




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