司令「……うーん……どうしたものか…………」 通信担当隊員「どうされましたか? 司令?」 司「議長にな、『無茶だけはするなよ』ってって言われたんだが……そんなに無茶してるか?」 通「はい」 司「はっきりと言ってくれるじゃねーか」 解析担当隊員「だってそうじゃないですか。いつもガンガン突っ走って」 広報担当隊員「我々がどれだけヒヤヒヤしてるか少しは解ってくださいよ」 司「あーもう解ったから解ったから」 一同「………………(やっぱり解ってないなこのひとは)」 司「あーそれはさておき…………どうだ? 状況の方は」 解「自賛乙軍の侵攻速度、『第二次』どころか『第一次』のときよりも速いです。第5番地域はほぼ制圧されてしまってます」 司「住民の避難のほうはどうなってる?」 通「現地の初期対応が早かったおかげで、大きな混乱には至らなかったようです」 広「あそこの参謀は自分の同期なんですが、なかなかの切れ者でして。よく住民合同での自賛乙軍対策訓練を計画実施してましたからね」 司「ほほぅ。 そういやあそこの地域司令が『こないだうちに回ってきた若いのができた奴でなぁ』って言ってたが、そうかそいつのことか……」 広「しかしあそこを失うと我々には相当の痛手ですね」 司「そうだな。あそこを足掛かりにされると我々は防戦一方を強いられるからな…………」 広「ってか、毎度毎度防戦一方なのでは?」 司「…………それを言うな」 解「…………ん? 司令! 第5番地域に高速接近する反応が!」 司「……え? まさかとは思うが……識別信号の照合は?」 解「……えーと…………照合結果出ました! 下野隊です!!」 司「下野隊か!! ……これは……いけるか? ……しかし……奴らにはどうだろうか…………」 通「司令! 何弱気なことを仰ってんですか! どの道やるしかないんでしょ?」 司「……そうだったな。 下野隊に通信開けるか?」 通「回線…………開きました!」 司「こちら『こむちゃ世界自由同盟』司令本部。貴隊の援護を感謝する。自賛乙軍は強大で、撃退には困難を極めるかもしれない。しかし、こむちゃ世界の明日を憂う者が一丸となれば、奴らの野望を無に帰すことができるだろう。 貴隊の奮闘を祈る」 解「……下野隊、あと1時間ほどで自賛乙軍と接触します!」 司「……この先を左右する重要な局面だ。 こちらからも、前線への必要な援助は惜しむなよ!」 一同『はい!!』 司「……賽は投げられた。鬼が出ようが蛇が出ようが、とにかく我々は進むしかないんだ…………」 |